魂の輝きに

囀る鳥は羽ばたかない 6巻考察③「矢代に訪れた救いー目の前のありふれた光」

さてさて6巻で大きな転機を迎えた矢代について考察です。「あいつ末期ガンの終末医療とかやってんのな」 不吉な表現にヒヤッとしましたが、これは”これまでの矢代”に終末が近づいているという描写だったようです。 終わらせたかった理由 「死にたいわけない…

囀る鳥は羽ばたかない 6巻考察②「親とは何かー失いながら生きる者」

続いて作中唯一、魅力的な親として描かれている三角さんについて。 親殺し子殺し ヨネダ氏の作品で印象的なのは2008年発刊の「どうしても触れたくない」。 外川の母親がノイローゼから家に火をつけ弟が死んだ話。 ボーイズラブのエピソードとしてはやや唐突…

囀る鳥は羽ばたかない 6巻考察①「百目鬼、イノセンスとの別れ」

コミックスは大人しく電子版を待っていました。 といわけで囀る鳥は羽ばたかない6巻考察に入ります。長くなりそうです! 百目鬼、 思春期の終わり 4巻で百目鬼が矢代の部屋から盗んだ影山のコンタクトケース。 あれどうなるんだろうと思ってたら「人を好きに…

囀る鳥は羽ばたかない 35話考察②「傍観者から当事者へ。羽ばたいた鳥は幸せになれるのか?」

次はひかりの中に踏み出した矢代について。 二十年越しの答え 病院に見舞いに来た影山に矢代は問いかける。 「お前はなんで俺じゃなくて久我だったんだ?」矢代「ヤリてえなとかは?」 影山「あるわけねえだろ」「身内のAV見せられるなんて苦痛でしかねえ」…

「囀る鳥は羽ばたかない」タイトルについて考察ー鳥が囀る理由と羽ばたく理由

「囀る鳥は羽ばたかない」、今回はその印象的なタイトルについて考察。 鳥が囀るわけ なぜ鳥が囀るのか?については以前ヨネダ氏がnoteに紹介されていました。note.mu 【囀り】 「鳥の歌」ともいわれ、主に繁殖期に雄が出す美しい鳴き声のこと。 生まれなが…

囀る鳥は羽ばたかない 35話考察①「平田、すべての報い。矢代、半分の仮面」

33話で矢代と百目鬼は飛行場の近くに移動。 当初「なんで飛行場なんだろ?」と思っていたら、飛行機は分かりやすく鳥の比喩で、34話は”ついに鳥が羽ばたきますよ”というシーンで終了。 よって35話は矢代と百目鬼がスウィートな展開になるのかと期待していた…

<カタルシスは描かない>物語の二重の逆張り構造ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察⑤

「夢の雫、黄金の鳥籠」新刊12巻が発行されました。 スレイマン一世とイブラヒムは欧州遠征に赴き、ヒュッレムは寄進財団の設立を目指す内容。 物語は淡々と進む。 物語が盛り上がりに欠ける理由 「夢の雫、黄金の鳥籠」は二重の逆張り構造で出来ています。①…

それが愛によるものではないことだけは確か。寵姫ヒュッレム比類なき栄光の理由ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察④

「夢の雫、黄金の鳥籠」は現在12巻。ハレムにおける第一夫人ギュルバハルとの争いを制し、物語の主軸は皇位継承争いに。 そのなかでヒュッレムは後見であり、愛したかつての主イブラヒムとの対立を深めていく。 スレイマン一世の求めたものはなんだったのか …

我々は「奴隷的」ではないだろうか?そこかしこにある黄金の鳥籠ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察③

印象的なのはタイトルにある「黄金の鳥籠」。物語序盤ヒュッレムがスルタンのハレムに入る際、主イブラヒムから扉のついていない金の鳥籠が贈られる。鳥のような自由を望むヒュッレムに対し、イブラヒムは「どこにいようと自由とは心のありようだ」と告げる…

囀る鳥は羽ばたかない 34話考察②「同じ雨に打たれることー雨と矢代、傘と百目鬼」

続いて「囀る鳥は羽ばたかない」で用いられる雨の描写について考察。以下ネタバレを含んでいます。ご注意ください。 最初は作中の重要な場面で雨が降っているというぼんやりした印象でした。これまでの雨が降っている主なシーンは ・影山の父親の通夜(高校…