魂の輝きに

繰り返される戦士とアイヌ少女との物語ー「杉元はアシリパさんの父親の運命を超えるか」ゴールデンカムイ考察

最近ゴールデンカムイを読み返して思ったこと。 アシリパさんの父親と杉元は共通項が多く、同じ道をたどって行っている、ということ。 ①顔に傷跡を持つ男 インカラマッが杉元に「わたし傷のある男性にとても弱いんです」と語っていたのは偶然ではなくて、ア…

囀る鳥は羽ばたかない 35話考察②「傍観者から当事者へ。羽ばたいた鳥は幸せになれるのか?」

次はひかりの中に踏み出した矢代について。 二十年越しの答え 病院に見舞いに来た影山に矢代は問いかける。 「お前はなんで俺じゃなくて久我だったんだ?」矢代「ヤリてえなとかは?」 影山「あるわけねえだろ」「身内のAV見せられるなんて苦痛でしかねえ」…

「囀る鳥は羽ばたかない」タイトルについて考察ー鳥が囀る理由と羽ばたく理由

「囀る鳥は羽ばたかない」、今回はその印象的なタイトルについて考察。 鳥が囀るわけ なぜ鳥が囀るのか?については以前ヨネダ氏がnoteに紹介されていました。note.mu 【囀り】 「鳥の歌」ともいわれ、主に繁殖期に雄が出す美しい鳴き声のこと。 生まれなが…

囀る鳥は羽ばたかない 35話考察①「平田、すべての報い。矢代、半分の仮面」

33話で矢代と百目鬼は飛行場の近くに移動。 当初「なんで飛行場なんだろ?」と思っていたら、飛行機は分かりやすく鳥の比喩で、34話は”ついに鳥が羽ばたきますよ”というシーンで終了。 よって35話は矢代と百目鬼がスウィートな展開になるのかと期待していた…

<カタルシスは描かない>物語の二重の逆張り構造ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察⑤

「夢の雫、黄金の鳥籠」新刊12巻が発行されました。 スレイマン一世とイブラヒムは欧州遠征に赴き、ヒュッレムは寄進財団の設立を目指す内容。 物語は淡々と進む。 物語が盛り上がりに欠ける理由 「夢の雫、黄金の鳥籠」は二重の逆張り構造で出来ています。①…

それが愛によるものではないことだけは確か。寵姫ヒュッレム比類なき栄光の理由ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察④

「夢の雫、黄金の鳥籠」は現在12巻。ハレムにおける第一夫人ギュルバハルとの争いを制し、物語の主軸は皇位継承争いに。 そのなかでヒュッレムは後見であり、愛したかつての主イブラヒムとの対立を深めていく。 スレイマン一世の求めたものはなんだったのか …

我々は「奴隷的」ではないだろうか?そこかしこにある黄金の鳥籠ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察③

印象的なのはタイトルにある「黄金の鳥籠」。物語序盤ヒュッレムがスルタンのハレムに入る際、主イブラヒムから扉のついていない金の鳥籠が贈られる。鳥のような自由を望むヒュッレムに対し、イブラヒムは「どこにいようと自由とは心のありようだ」と告げる…

囀る鳥は羽ばたかない 34話考察②「同じ雨に打たれることー雨と矢代、傘と百目鬼」

続いて「囀る鳥は羽ばたかない」で用いられる雨の描写について考察。以下ネタバレを含んでいます。ご注意ください。 最初は作中の重要な場面で雨が降っているというぼんやりした印象でした。これまでの雨が降っている主なシーンは ・影山の父親の通夜(高校…

囀る鳥は羽ばたかない 34話考察①「変わる過去、そして矢代が光の中に見たもの」

普段は電子版派なのですが今回は待ち切れず本屋さんでihr HertZを購入。というのもこのtweetが気になりすぎたから。今回はちょっと過去に関する仕掛け的なものを2箇所描きました。と言ってみたり。https://t.co/K6QYZmrt2L— ヨネダコウ (@yoneco_info) 2018…

世間において言われる「よきもの」とは?ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察②

現代はもとより、寵姫ヒュッレムは生きていた当時から評判がよくなかったらしい。 主な理由はハレムの住人が政治に口を出すきっかけを作ったから。ロクセラーナ - Wikipedia ロシアの魔女の言葉を耳に入れ 企みと魔術にだまされて、あの悪女の言いなりとなり…

罪悪感の時代の終焉:キリストから2000年の時を経て、人は原罪の世界に飽きる

西暦とはキリスト教でイエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を紀元とした紀年法であり、現世はキリスト生誕から2000年以上経過した世界である。 近代以降におけるキリスト教の失墜は明らかであり、今後もその流れは止まらない…と予測しますが、そもそ…

海王星逆行終了ー「家族幻想」の崩壊

11月25日に海王星の逆行が終了。 天体が順行のときはそのエネルギーを外に放つ期間、逆行のときは内側に貯めていく時間。海王星は”幻想”をつかさどる星。 逆行の終了は今まで育ててきた幻想を自らの内側と照らし合わせ、その夢(幻想)が自分にもはや不要な…

「天は赤い河のほとり」の作者が今オスマン帝国のハレムを描く理由ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察①

少女漫画には金字塔と言われるいくつかの作品がある。1995年から2002年まで連載された篠原千絵の「天は赤い河のほとり」はそのひとつに数えられと思う。 日本の中学生ユーリが紀元前14世紀のヒッタイト帝国にタイムスリップし、軍神イシュタルとして皇子カイ…

親からの自立とは<裏切りの行為、ひとつの信仰の棄却>

親からの自立。それはこれまで正しいと疑うことすらしなかった<親の価値観からの脱却>の過程である。信仰していた宗教からの足抜けみたいなもの。自立とは「これまで」に対する裏切りの行為だ。