魂の輝きに

夢の雫、黄金の鳥籠 考察

<カタルシスは描かない>物語の二重の逆張り構造ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察⑤

「夢の雫、黄金の鳥籠」新刊12巻が発行されました。 スレイマン一世とイブラヒムは欧州遠征に赴き、ヒュッレムは寄進財団の設立を目指す内容。 物語は淡々と進む。 物語が盛り上がりに欠ける理由 「夢の雫、黄金の鳥籠」は二重の逆張り構造で出来ています。①…

それが愛によるものではないことだけは確か。寵姫ヒュッレム比類なき栄光の理由ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察④

「夢の雫、黄金の鳥籠」は現在12巻。ハレムにおける第一夫人ギュルバハルとの争いを制し、物語の主軸は皇位継承争いに。 そのなかでヒュッレムは後見であり、愛したかつての主イブラヒムとの対立を深めていく。 スレイマン一世の求めたものはなんだったのか …

我々は「奴隷的」ではないだろうか?そこかしこにある黄金の鳥籠ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察③

印象的なのはタイトルにある「黄金の鳥籠」。物語序盤ヒュッレムがスルタンのハレムに入る際、主イブラヒムから扉のついていない金の鳥籠が贈られる。鳥のような自由を望むヒュッレムに対し、イブラヒムは「どこにいようと自由とは心のありようだ」と告げる…

世間において言われる「よきもの」とは?ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察②

現代はもとより、寵姫ヒュッレムは生きていた当時から評判がよくなかったらしい。 主な理由はハレムの住人が政治に口を出すきっかけを作ったから。ロクセラーナ - Wikipedia ロシアの魔女の言葉を耳に入れ 企みと魔術にだまされて、あの悪女の言いなりとなり…

「天は赤い河のほとり」の作者が今オスマン帝国のハレムを描く理由ー「夢の雫、黄金の鳥籠」考察①

少女漫画には金字塔と言われるいくつかの作品がある。1995年から2002年まで連載された篠原千絵の「天は赤い河のほとり」はそのひとつに数えられと思う。 日本の中学生ユーリが紀元前14世紀のヒッタイト帝国にタイムスリップし、軍神イシュタルとして皇子カイ…