魂の輝きに

囀る鳥は羽ばたかない 34話考察①「変わる過去、そして矢代が光の中に見たもの」

普段は電子版派なのですが今回は待ち切れず本屋さんでihr HertZを購入。

というのもこのtweetが気になりすぎたから。

過去に関する仕掛けってなんだ。

今回はそちらを読み解いていこうと思います。

以下ネタバレが多数ございますのでコミックス派の方はここでブラウザを閉じてください。








では参ります。

あの時と同じシュチエーション

34話後半、矢代は平田に首を絞められ殺されかけます。

「もうとっくに壊れていた」

矢代のモノローグから、小学生のときの性的暴行ですでに自分は壊されていた、と矢代は感じているように思います。

「ああこれで ようやく俺は 俺を終わらせることができる」

平田が正面からではなく後ろから首を絞めているのも、初めて義理の父親に強姦された時の再現と見ていいでしょう。
精神的に殺されるか肉体的に殺されるかの違い。

あの時と同じシュチエーションで、矢代は親の立場にある存在に殺されそうになる。

”ほんとうは助けてほしかった”

「…妹は よかったな お前がいて」

目を覚ました矢代は、光の中に平田を殴りつけている百目鬼の姿を見つけます。

ただ羨むだけだった百目鬼の妹のように。

あの時は得られなかった助けを。
矢代は本当は欲しかった助けを、ついに得た。

救いだけではなく

目を覚ました矢代に駆け寄ろうとした百目鬼は、隙をついた平田に撃たれます。
それを目の当たりにした矢代は一心不乱に平田を打ち付ける。

これは百目鬼が妹を助けたときの再現ですね。
妹を救うため父親を半殺しにした百目鬼と同様、百目鬼を守るため矢代は親である平田を後先考えず殴りつける。

これはつまり矢代が百目鬼と同じ立場に立ったことになります。

と同時にこれは矢代にとっての初めての親殺し(平田は死んでないけど)。

親に逆らわないために、受け入れるために、子供の頃から自分をグシャグシャに壊して生きてきた矢代。
親に殺されることを受け入れてきた矢代が、ついに親に刃向かった。

”親殺し”の先輩

この34話を読むまであまり意識してなかったんですが、矢代にとって百目鬼は”親殺し”の先輩なんですね。
未熟な部分は多々あれど、”親殺し”に関しては百目鬼はすでに経験済み。

これから矢代が生きていくには救いがもたらされるだけでは不十分で、親との決別の意思を持てるかどうかが重要だったので、今回で矢代の生存確率上がったんじゃないかと個人的な見解(状況的には大変だけど)。

親殺しのイニシエーション

ただそれに伴い平田の言ってた「お前はいつか三角を裏切る」が現実化する可能性が浮上してきました。
親、といっても平田は形式上もいいとこ、つまり矢代にとっては前座も前座で、矢代にとっての親殺しのイニシエーションを三角さんでやる可能性が出てきた。

矢代は三角さんを殺したりはしないでしょうが、三角さんの意思に沿わない、三角さんにとって望ましい矢代とは違う道を選んでいくことになるかと。
そうすると今度は三角さんが大変になる。

なので今後三角さんが親としてどうするか、も問われていくと思います。


次は雨の中倒れた二人について考察。

(続く)