魂の輝きに

囀る鳥は羽ばたかない 35話考察②「傍観者から当事者へ。羽ばたいた鳥は幸せになれるのか?」

次はひかりの中に踏み出した矢代について。

二十年越しの答え

病院に見舞いに来た影山に矢代は問いかける。
「お前はなんで俺じゃなくて久我だったんだ?」

矢代「ヤリてえなとかは?」
影山「あるわけねえだろ」「身内のAV見せられるなんて苦痛でしかねえ」

「なぜ俺じゃなかったのか」「なぜ俺じゃだめだったのか」
高校生の頃からそう想い続けてきた矢代は、影山本人から「身内だから」という回答を得ました。

そう、家族とはセックスをしないのだ。

ついに矢代もここまできた。

傍観者から当事者へ

このシーンは1話で事務所に影山がやってきた場面との対比になります。

「俺は、俺自身も傍観者にすることで 俺を保ってきた」
薄暗い部屋から自転車で帰る影山を見送っていた1話とは対照的に、35話ではひかりの中で影山に手を振る矢代。

これは矢代の立場が傍観者から当事者へ変化した描写であると考えられます。

影山久我ラインで残る伏線は3巻書き下ろしの久我のセリフ「やっぱ強敵だな」。
久我が矢代をけしかける展開を予測していますが、果たして。

百目鬼の諦めた理由

家族とはセックスをしない。
これは 百目鬼も同様で、あれほど「なんでもするから側において欲しい」と言っていた百目鬼が諦めた理由のひとつと推察しています。

「ヤクザってのは盃ひとつで家族んなって…守ってかなきゃなんねぇもんだって思ってたんす」
4巻で七原が語っていた通り、ヤクザの構成員は血は繋がってなくても”身内”になる。

「血は繋がらなくても 俺にとって妹は妹でしたから」
そう言って妹を恋愛の対象としなかった百目鬼が、組にいながら矢代を自分のものにしたいというのははっきり言って筋が通らない。
矢代に対しても。

家族以外の情愛を求めるのであれば組には留まれない。
矢代を自分のものにしたいなら、家族以外の立場にならなきゃいけない。

七原の兄貴

矢代を命がけで守った百目鬼に対し「本音としちゃなんとかしてやりてーって思うよ」と語る七原。
これで七原の兄貴が百目鬼と矢代をくっつけるために一肌脱いでくれる未来が確定しましたので、そんな展開早く来い。

羽ばたいた鳥たちは

七原、杉本、影山、久我と矢代と百目鬼の背中を押してくれる陣営は整いつつあるので、ネックはやはり三角さんとの関係になりそう。

羽ばたいた鳥たちは、今後さえずることではなく、相手に想いを伝える方法を模索していくことになるのかなと思います。